どーも、冨安です。
ここ半年歴史にハマり、関連書籍のなかで最も面白かったのがダントツで「銃・病原菌・鉄」という本でした。
人類の歴史を農耕が始まった1万3000年前からさかのぼり、なぜ大陸ごとに人類は異なった進化をしていったのか?
延々と色んな角度から書き連ねられた書籍です。
僕は大好きなテーマでした。
なぜヨーロッパや日本は先進国というポジションを取ることができたのか?
なぜ大航海時代、アメリカ大陸はヨーロッパ諸国に植民地化されてしまったのか?この逆はなぜなかったのか?
なぜ人類は大陸ごとに異なった進化を遂げたのか?
早期に文明を発展させた国が持っていたものが「銃・病原菌・鉄」であったと。
次に、さらになぜヨーロッパが持っていた銃・病原菌・鉄を、なぜアフリカやアメリカ大陸の国は持っていなかったのか?
答えの1つとして大陸の特徴をあげています。文明の進化において重要だったのは、大陸が東西にのびるか?南北にのびているか?
東西に長いユーラシア大陸で文明は発展し、南北に長いアメリカ大陸ではその発展はユーラシア大陸より遅かった。
ざっくりですが、例えば上記のようなフィールドワークと考察をひたすらしてる書籍です。
僕にはハマる書籍でした。また読み返したいと思ってます。
ホント、著者のジャレド・ダイアモンド先生の投げかける問いが面白いんですよね。
なぜシマウマは家畜にならなかったのか?
これは本書のなかのある1章のタイトルです。
なぜシマウマは家畜にならなかったのか?
という。
この問いすごく面白くないですか?
田舎に住んでいるとシカやイノシシっていう動物による農産物の獣害は深刻。あるとき罠に捕まってたシカがいたんですね。
そのときふと、なんで犬はペットになったのにシカはペットにならなかったのだろうか?
とおもったことがあったので、この問いは面白く感じました。
大陸の進化において、優秀な家畜がいたか、いないか?これは非常に重要だったそう。
ユーラシア大陸には優秀な家畜がいたけど、アメリカ大陸には少なかった。
例えば馬。
ユーラシア大陸にはいてアメリカ大陸にはいなかったそう。
馬って大航海時代にはじめてアメリカ大陸に持ち込まれ、スペインがアステカ帝国に攻め込むときに衝撃を与えたみたいです。
この章ではシマウマが家畜化されなかったのは、アフリカ先住民に問題があったのか?はたまたシマウマに問題があったのか?考察していっています。
身も蓋もない気もする問いですが大好きです。
家畜になった動物、ならなかった動物は何が違ったか?
そもそも家畜化された動物とは一体どういう動物のことをいうのでしょうか?
ジャレド・ダイアモンド先生はこう定義しています。
家畜とは人間が自分たちの役に立つように、飼育しながら食餌や交配をコントロールし、選抜的に繁殖させて、野生の原種から作り出した動物のことである。
つまり、家畜化には、野生種よりも有用になるように、人間によって品種改良されていく過程がふくまれる。
そもそも大型草食哺乳類で家畜になった動物はわずか14種類。羊、ヤギ、牛、豚、馬など。
アフリカではたくさんの動物がいるイメージですが、家畜化できる動物は本当に限られるんですね。
民族の差異は、家畜化のスキルにそんな関係がないよう。異なる人間社会が共通の限られた動物を家畜にしています。
家畜にできなかった動物は、人ではなく動物に原因があると考察しています。
家畜化できない理由として、餌の問題、成長速度の問題、繁殖の問題、気性の問題、パニックになりやすい性格の問題、序列性のある集団を形成しない
という6つの理由をあげており、どれか1つでも欠ければ家畜化はできないと。
例えばシマウマであれば歳を重ねると、気性が荒くなり、鞍をつけれないという問題があったそうです。南アフリカで家畜化しようとしたけど無理だったみたいです。
昨今、僕たちが食べている牛、豚、鶏などの家畜は、多くの動物のなかでも激選された家畜向きの動物だったのだと思いました。
家畜化できる動物に興味を持ったあなたは、機会があったら野生動物をペットにする実験をしてみてはいかがでしょうか。
なぜシマウマは家畜にならなかったのか?
これは本書のなかで出てくる人類史のほんの1部の問い。
このような知的好奇心がそそられる問いがバンバン立てられ、考察していくのが「銃・病原菌・鉄」。
ここ数年で読んだ本の中で一番おもしろかった気がします。